同人ブームの変遷を辿る!三度の飯より同人誌と呼ばれるまでの歴史的展開
同人誌即売会の原点は、既存の商業漫画誌に対する痛烈なアンチテーゼだった。1975年12月、まんが批評集団「迷宮」の主導により、東京都港区の虎ノ門・日本消防会館の会議室で産声をあげた第1回コミックマーケット。参加サークルはわずか32サークル、来場者は推定約700人に過ぎなかった。当時、商業漫画誌が少年向けアクションやスポ根に偏重するなかで、表現の場を奪われていた少女漫画のファンや批評家たちが、自分たちの読みたいものを自分たちで作るために集った場所が、即売会の原型である。
この時代、同人誌の複製は謄写版(ガリ版)や青焼きが中心であり、紙の束をホッチキスで留める中綴じ製本の手作業が当たり前だった。流通手段を持たない無名の若者たちが、締め切り前夜にインクで指先を真っ黒に染めながら徹夜を重ねる。この過酷な手作業のプロセスこそが、自腹を切ってでも表現を他者に届けたいという独特の当事者意識を醸成した。「締め切りに間に合わなければ数カ月の労働が水泡に帰す」という極度の緊張感は、同人カルチャー固有の倫理観として現在に至るまで受け継がれている。
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三 度 の 飯 より 同人 誌