魚津水族館でも話題のバイ貝!富山名物煮付けの旬と美味しい作り方を徹底追跡
バイ貝を美味しく仕上げるための最重要ステップは、火にかける前の下処理にあります。まず誤解されがちなのが「砂抜き」の工程です。アサリやハマグリなどの二枚貝と異なり、肉食性または腐食性の巻き貝であるバイ貝は、体内に砂を溜め込む構造を持っていません。そのため、塩水に浸して一晩置くといった一般的な砂抜き作業は一切不要です。貝の表面や殻口の隙間に付着した細かな砂泥を洗い流すことが主目的となります。
下処理の第一段階は、殻と殻を擦り合わせるように流水で力強く洗うことです。タワシを用いて殻の溝に付いた汚れを丁寧に落とします。続いて、ボウルに貝を入れて大さじ2杯程度の粗塩を振り、手で揉み込むようにして表面の強いぬめりを浮き上がらせます。ぬめりには特有の生臭さが含まれているため、水が透明になるまでしっかりとすすぎ洗いを行ってください。
そして極めて重要なのが、本バイ貝(黒バイ貝)を扱う際の「唾液腺処理」です。本バイ貝の唾液腺にはテトラミンと呼ばれる神経毒素が含まれており、これを多量に摂取すると頭痛、めまい、酩酊感、視覚異常などの食中毒症状を引き起こす恐れがあります。テトラミンは加熱しても分解されません。丸ごと煮付ける小さな個体であれば含有量は微量ですが、大ぶりの本バイ貝を使用する場合は、一度身を殻から外して縦半分に切り開き、中にある乳白色から淡黄色の脂身のような組織(唾液腺)を包丁で完全に削ぎ落としてから調理するのが安全の鉄則です。一方、北陸で一般的な白バイ貝にはテトラミンが存在しないため、殻付きのまま内臓ごと煮付けることができます。
Tags:
バイ 貝 の 煮付け