しまむらのラルフローレン偽物説を検証!並行輸入品とライセンス契約の正体
しまむらや系列店の売り場で「POLO」と書かれた商品を手にした際、まず理解しておくべき大前提があります。それは、店頭にある商品のすべてが「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」というわけではないという事実です。
店舗で流通しているポロ関連アイテムは、法的・流通的な観点から以下の2つのカテゴリーに明確に分類されます。
- ① 本物の「ポロ ラルフ ローレン」の並行輸入品(主に靴下、タオル、一部のTシャツなど)
- ② 「POLO」の名を冠した、歴史ある別企業の正規ライセンスブランド(主に子供服、ベビー服、デイリーウェア)
どちらも日本の商標法および関税法を完全に遵守した「本物」であり、悪質な業者がロゴを無断盗用したコピー品(偽物)とは根本的に異なります。それぞれの仕組みを紐解くと、しまむらがいかに巧みなバイイング(仕入れ)を行っているかが見えてきます。
カラクリ1:一部で流通する「正規並行輸入ラルフローレン」の仕組み
しまむらの靴下コーナーや服飾雑貨売り場では、紛れもない本物のポロラルフローレンのソックス(3足セットなど)やハンカチが、百貨店より3割〜5割ほど安い価格で販売されていることがあります。この安さの秘密は「並行輸入品」にあります。
日本の百貨店に並ぶ「正規輸入品(国内正規品)」は、米国のラルフローレン本社と契約した日本の正規代理店を通し、厳格なブランド価格統制のもとで販売されます。一方、並行輸入品とは、アメリカやアジア圏などの海外正規店や正規卸売業者から、日本の専門商社が直接買い付けて輸入した商品のことです。
しまむらは圧倒的な店舗網と資金力を背景に、信頼できる大手インポーター(輸入商社)から数万点単位で大量に買い付けます。特にアメリカのボーイズサイズ(青少年向け規格)や、海外のアウトレット専売ライン、シーズン切り替え時の余剰在庫を一括調達することで、中間マージンを極限まで圧縮し、驚きの「しまむら安心価格」を実現しているのです。
カラクリ2:商標権に基づく独立ブランド「POLO BCS」の歴史と正体
一方、しまむらや子供服業態の「バースデイ」で1,000円〜2,000円前後で大量に展開されているスウェットやポロシャツの多くは、ポロ・ビーシーエス(POLO BCS)という日本の独立ブランドです。
「ラルフローレンのパクリではないのか?」と誤解されがちですが、その歴史を辿ると全く異なる事実が浮かび上がります。そもそも「ポロ(POLO)」という言葉は、馬に乗って行う伝統的な球技(ポロ競技)の一般名称であり、特定の企業だけが独占できる言葉ではありません。
POLO BCSを展開する「ポロ・ビーシーエス株式会社」は、1968年(昭和43年)に日本で設立された歴史ある企業です。英国のポロ競技とブリティッシュ・トラッドの精神を日本に広めるため、「POLO British Country Spirit(ポロ・ブリティッシュ・カントリー・スピリット)」として独自の商標権を取得し、半世紀以上にわたって日本国内でライセンス展開を行ってきました。つまり、日本の高度経済成長期から続く由緒正しい国産ライセンスブランドであり、法的に確立された「本物のPOLO BCS製品」なのです。