時透無一郎はなぜ笑顔を取り戻せた?アニメ追加シーンの意図を徹底解説
時透無一郎が初登場時に見せていた極端な合理主義と無関心は、生まれ持った冷酷さによるものではありません。その背景には、11歳のときに経験した凄惨な肉親の死と、それに伴う重度の記憶喪失が存在していました。
木こりの家庭に生まれた無一郎には、双子の兄である時透有一郎がいました。情に厚く他者への優しさを持っていた無一郎に対し、有一郎は現実主義で周囲を拒絶するような辛辣な言葉を繰り返していました。しかし、突如現れた鬼に有一郎が致命傷を負わされた夜、すべてが一変します。怒りに我を忘れて鬼を討伐した無一郎の眼前で、瀕死の有一郎は「無一郎の無は、無限の無」と言い残し、弟の幸福を神仏に祈りながら息を引き取りました。
このあまりに過酷な精神的負荷により、無一郎の心は自らを守るために過去の記憶を完全に封印しました。心理学における「解離性健忘」の状態に陥った彼は、自分が何者であるかもわからないまま、内に渦巻く正体不明の怒りだけを原動力に刀を振るい続け、わずか2か月で柱へと駆け上がったのです。他者への配慮を欠いた言動は、壊れかけた精神を保つための防衛機制に他なりませんでした。
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きめ つの 刃 む いちろう