焼肉ライク食べ放題なぜ最大9時間?閉店相次ぐ裏での新戦略と実施店を徹底解剖
ここで多くの消費者が抱く最大の疑問が、「一時閉店のニュースも報じられた焼肉ライクが、なぜ今『最大9時間・2,170円から』という採算度外視にも見える食べ放題を拡大しているのか?」という点です。創業当初、焼肉ライクは「提供まで3分」「滞在時間20〜30分」というファストフード型の高回転モデルを武器に急成長を遂げました。それにもかかわらず、今になって「急がなくていい」滞在型へと180度方針を転換した背景には、外食業界を襲った深刻な構造変化があります。
『現代ビジネス』(2025年12月12日付)などの経済メディアが報じた分析によると、近年焼肉ライクでは店舗の閉店が相次ぎ、ネット上や利用者から「以前と比べてコスパが悪くなった」という批判が目立つようになっていました。その引き金となったのが、輸入牛肉の価格高騰(ミートショック)や円安、光熱費・人件費の上昇です。採算を重視して度重なる価格改定やメニュー内容の調整を行った結果、ひとり焼肉の単品・定食セットの価格が1,500円〜2,000円近くに達するケースが増え、「安くて早いファストフード」と「本格的な焼肉店」のどちらとも言えない「中途半端な店」という厳しい評価に直面してしまったのです。
さらに、ファストフード型モデルの弱点として「昼の12時台」と「夜の19時〜20時台」以外の時間帯、いわゆるアイドルタイム(14時〜18時頃)の客席稼働率が極端に落ち込むという課題がありました。どれほど回転率を高めるオペレーションを組んでも、客が入らない時間帯には家賃と固定人件費が垂れ流しになります。
そこで経営陣が導き出した逆転の発想が、「空いている昼過ぎから夕方までの客席を、時間無制限の食べ放題・飲み放題というフックで埋め尽くす」という戦略です。11時から20時までの枠であれば、すでに店舗は営業しており、スタッフも配置されています。また、焼肉ライクの店舗はタッチパネル注文と1人1台のロースターが完備されているため、食べ放題による追加注文が発生してもホールスタッフの配膳負荷が最小限で済みます。「高回転で薄利を稼ぐ」モデルから、「アイドルタイムの稼働率を最大化し、客単価2,170円〜2,500円以上を確実に確保する」モデルへの見事なピボット(方向転換)なのです。