三つ編みイラストはなぜバズる?フリーレン公式の仕掛けと絵師の作画技術を徹底追跡
実際の制作現場において、イラストレーターたちはどのように三つ編みの作画効率化を図っているのでしょうか。SNS上の絵師コミュニティの反応や、最新のツール活用実態を検証しました。
「以前は三つ編みのキャラを描くだけで線画の時間が倍になっていたが、専用ブラシとアタリの法則を知ってからむしろ一番楽しいパーツになった」――こうした声が多くのデジタルクリエイターから上がっています。その中心にあるのが、ペイントソフトの定番であるCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のブラシ素材です。
CLIP STUDIO ASSETS(素材配布サイト)では、ペンのストロークに沿って自動的に三つ編みのベース線や下塗りが描画される「三つ編みブラシ」が多数公開されており、ランキングの上位常連となっています。しかし、現場のトップ絵師たちが口を揃えて指摘するのは、「ブラシをそのまま引いただけでは、機械的で浮いた絵になってしまう」という事実です。優秀なクリエイターほど、三つ編みブラシをあくまで「立体的なアタリ(下描き用のガイド)」として使用し、その上から自分のペンのタッチで線画を描き起こし、根元の自然な合流部分や後れ毛を加筆する手法を採っています。
また、頭身が低いデフォルメイラスト(ミニキャラ)の需要急増も見逃せません。VTuberのグッズやSNSアイコン、ゲームのSDキャラなどにおいて、複雑な髪型をどう可愛く省略するかは大きな課題です。前述したインプレス刊行の技法書『誰でもかんたんマスター!ミニキャラの描き方 超入門 CLIP STUDIO PAINT PRO/EX対応』(2024年6月発売、著者:乃樹坂くしお)などの専門書が支持される理由は、まさにこの「リアルな構造をどうデフォルメ(省略・誇張)に落とし込むか」というプロの思考プロセスが言語化されている点にあります。等身大のイラストでは7〜8段編み込むところを、ミニキャラではぷっくりとした3段に凝縮するといった引き算の技術が、現場では重宝されています。