サニスタンドとは何か?国交省の女性トイレ増設案で再注目された「女性用小便器」の全貌
サニスタンドとは、1951年(昭和26年)に東洋陶器(現・TOTO)が米国のアメリカン・スタンダード社の製品を参考に開発・発売した、女性が立ったまま(中腰の姿勢で)用を足すための専用小便器です。
外見は、現代の洋式便器のボウル部分を細長くし、前方をやや高く立ち上げたような独特のフォルムをしています。男性用小便器が壁掛け式や床置き式の縦長形状であるのに対し、サニスタンドは床から立ち上がる台座のような形状をしており、利用者は便器に背を向けてまたがり、直接便器に肌を触れさせず、中腰(スキーのボーゲンのような姿勢)になって排尿する仕組みでした。当時の公衆トイレは不衛生な和式便器が主流であり、「公衆トイレの便座に肌をつけたくない」「和式で深くしゃがみ込む際に着物の裾や衣服が汚れるのを防ぎたい」という衛生面でのニーズに応える画期的な衛生陶器として登場したのです。
| 年代・西暦 | サニスタンドを巡る主な出来事 | 当時の社会的背景・衣服の変化 |
|---|---|---|
| 1950年(昭和25年) | 米国アメリカン・スタンダード社が「Sanistand」を発表 | 公衆衛生意識の高まりと非接触ニーズの台頭 |
| 1951年(昭和26年) | 東洋陶器(現・TOTO)が日本国内で「サニスタンド」を発売 | 和装(着物)やスカートが主流。百貨店等に一部導入 |
| 1964年(昭和39年) | 東京オリンピック開催に伴い、旧国立競技場などの競技施設に大量設置 | 外国人観光客の受け入れと近代的パブリックトイレのアピール |
| 1971年(昭和46年) | 普及が進まず、TOTOがサニスタンドの生産・販売を終了 | パンティストッキングやズボン(パンツスタイル)の爆発的普及 |
このサニスタンドが最も脚光を浴びたのが、1964年(昭和39年)の東京オリンピックです。世界中から訪れる選手や観客を迎え入れるにあたり、メインスタジアムとなった旧国立競技場をはじめとする各競技施設のパブリックトイレに、近代化の象徴としてサニスタンドが多数導入されました。当時の設備設計者たちは、国際基準の衛生環境と効率的なトイレ運営を実現する切り札として大きな期待を寄せていたのです。
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