プリプリ「M」はなぜシングルA面ではなかったのか?名曲誕生の知られざる歴史と制作裏話を徹底解説
これほど強烈なメロディラインを持ちながら、なぜ『M』は単独のシングルA面としてリリースされなかったのか。そこには、1980年代末におけるプリンセス プリンセスの立ち位置と、商業的な戦略が深く関係していました。
当時、彼女たちは「女性だけの本格派ロックバンド」という前例のないポジションを確立しようと必死でした。所属事務所やレコード会社が求めていたのは、ライブハウスを揺らし、CMとの大型タイアップを獲得できるアップテンポでエネルギッシュなアンセムでした。その結果として制作されたのが、ソニーのオーディオカセットテープ「HF-X」のCMソングに起用された『Diamonds』です。
一方の『M』は、すでに1988年11月発売の3rdアルバム『LET'S GET CRAZY』の収録曲としてファンの間では知られていた楽曲でした。1989年4月のシングル化に際し、制作陣は「A面で攻めのバンド像(Diamonds)を提示し、B面に名バラード(M)を配置することで、アルバムの完成度の高さを証明する」というパッケージ戦略を採用しました。つまり、『M』がB面だったのは楽曲の優劣ではなく、バンドをスターダムに押し上げるための緻密なセールス戦術の結果だったのです。
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