「命がもったいない」名張高生の鹿肉カレー開発に感動の嵐!Cfの真相を徹底解剖
名張高校のプロジェクトに対して、ネット上では「素晴らしい取り組みだ」と称賛が集まる一方、一部では「駆除した鹿肉なんてそのまま精肉店や給食に卸せばいいだけでは?」「なぜわざわざクラウドファンディングでお金を集めてカレーにするのか?」という疑問や誤解も見受けられます。
ここに、一般に知られていないジビエ流通の構造的な盲点があります。農林水産省の統計データによると、全国で捕獲される野生鳥獣(シカ・イノシシ)のうち、食肉(ジビエ)として利活用されている割合はわずか約10〜15%程度にとどまっています。残りの約85%以上が廃棄されているのには、明確な理由があります。
- 厳格な衛生管理と時間制限:野生動物を食肉として流通させるには、厚生労働省のガイドラインに基づき、捕獲後おおむね1〜2時間以内に認可された処理施設へ搬入し、適切な放血・内臓摘出を行う必要があります。山奥で罠にかかった個体を運ぶだけでも重労働です。
- 個体差と部位の歩留まり:家畜と異なり、野生の鹿は年齢や季節によって肉の硬さや脂の乗り方がバラバラです。ステーキや焼肉として高値で売れる「ロース」や「ヒレ」は全体のほんの一部であり、硬いスネ肉やネックなどの部位は買い手がつきにくいという課題があります。
つまり、名張高生が「鹿肉カレー」を選んだのは極めて合理的かつプロの視点に適った判断なのです。スパイスでじっくり煮込むカレーに加工することで、硬くなりやすい部位も余すことなく柔らかく調理でき、レトルト化によって長期保存と広域への流通が可能になります。感情論の「もったいない」で終わらせず、流通のボトルネックを解消するソリューションとしてカレー開発を選択した点に、このプロジェクトの真価があります。
【プロの結論】「命の消費」を巡る社会学的視点と支援の判断基準
社会学や環境倫理学の視点から見ると、現代社会は「命を奪う現場(屠畜や害獣駆除)」と「命を消費する現場(スーパーのパック肉や食卓)」が極端に切り離された構造を持っています。私たちが普段、罪悪感なく肉を食べられるのは、その間にある生々しいプロセスが不可視化されているからです。
名張高校の生徒たちは、あえてその境界線(バウンダリー)を越えて現場に足を踏み入れました。『ワンピース』のコビーが、戦争という狂気のシステムの中で一人一人の兵士の命に目を向けたように、高校生たちも「害獣処理」という行政システムの中で失われていく一頭一頭の命に焦点を当てたのです。
このクラウドファンディングを支援すべき人・慎重になるべき人の判断基準:
- 支援をおすすめできる人:地域課題の解決に挑む若者の実践教育を応援したい人、フードロスや獣害問題の持続可能な解決策に関心がある人、高タンパクでヘルシーな本格ジビエカレーを味わってみたい人。
- 慎重になるべき人:野生鳥獣の肉(ジビエ)に対して生理的な抵抗感がある人、あるいは「市販の一般的なレトルトカレー(100〜200円台)と同じ価格・コスパ」のみを求める人(※ジビエの捕獲・解体コストや小ロット生産の特性上、大量生産品とは価格構造が異なります)。