ハチクロ映画は原作と何が違う?20周年で再評価される実写化の真相に迫る
実写版『ハチミツとクローバー』を決定づけたもう一つの要素が、言葉と音楽の融合です。カルチャーメディアのReal Soundが分析しているように、本作を特徴づけるのは内省的で詩的なモノローグの数々です。「人が恋に落ちる瞬間を、初めて見てしまった」という竹本の有名な独白は、櫻井翔の穏やかな語り口によって、観客自身の記憶の底にある青い傷口へと直結します。
そして、エンディングを飾るスピッツの書き下ろし楽曲「魔法のコトバ」。この楽曲が流れる瞬間、散らばっていたピースが一気にひとつの感情へと収束していきます。
劇伴を担当した菅野よう子の瑞々しいスコアとともに、挿入歌として効果的に配置されたスガシカオの楽曲群も、登場人物たちの湿り気を帯びた情動を増幅させました。セリフで感情を説明しすぎず、音楽と風景の余白によって観客に解釈を委ねる演出手法は、20年経った現在でも全く古びていません。
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