人体の不思議展は本物の死体?プラスティネーション技術の仕組みと疑惑の全貌を徹底解説
この展示会は、日本の法秩序そのものにも巨大な矛盾を突きつけました。争点となったのは、日本の死体解剖保存法です。
同法第24条では、「死体を保存しようとする者は、医学または歯学に関する大学の学長、または厚生労働大臣の許可を受けなければならない」と厳格に規定されています。さらに、保存場所も大学の解剖室や特定の医学研究施設に限定されています。デパートの催事場や民間のイベントホールに死体を持ち込み、不特定多数の有料客に見せる行為が同法に違反しているのは明白に見えました。
しかし、主催者側は驚くべき論理を展開しました。「プラスティネーション標本は、水分を樹脂に置換した加工品(合成樹脂成形品)であり、法律上の『死体』ではなく『展示用模型・物品』である」と主張したのです。
この強弁に対し、法医学者や日本解剖学会、弁護士グループは猛反発しました。「樹脂を含んでいようと、元の細胞構造とDNAを有する人骨・人肉である以上、紛れもなく死体である」とし、刑法190条(死体損壊・死体遺棄罪)に該当するとして刑事告発に踏み切る事態へと発展しました。厚生労働省は対応に苦慮し、長らく「判断を保留する」曖昧な態度を取り続けましたが、このグレーゾーンを突いた興行手法は、司法および倫理の双方から包囲網を狭められていきました。
Tags:
人体 の 不思議 展